ごあいさつ

校長　黒田 　賢一

　本校は、平成２２年４月に６７年間の歴史を積み重ねてきた男子校の旧塩釜高等学校と、８０年間の歴史を紡いできた旧塩釜女子高等学校が統合し、新たに男女共学の塩釜高等学校となってから今年で１４年目を迎えました。

　統合以来，旧塩釜高校を西キャンパス、旧塩釜女子高校を東キャンパスとした全国的にも珍しい２つのキャンパスを有し、これまでの歴史と伝統を融合・継承しながら、学習と部活動の両立を目指して、生徒の育成に励んでおります。両キャンパスとも、東には日本三景の一つである松島湾を臨み、北には陸奥國一之宮として知られる「鹽竈神社」が隣接する、風光明媚な松島丘陵に位置しています。

　令和４年度から年次進行で普通科を６学級とし、ビジネス科２学級と合わせて、今年度は１・２学年は各８学級、３学年は９学級の計２５学級、定員は１，０００名の県内公立高校では最大規模の学校です。普通科は、進学や就職など多様な進路に対応することが可能なカリキュラム編成となっており、ビジネス科は商業科目の基礎的・基本的な知識及び技術を身に着けるだけでなく、実践的・体験的な学習を通してコミュニケーション能力の育成や、社会で高く評価される上級資格の取得を目指しております。

　両学科とも、生徒の多様な進路希望実現のため、学力の定着を図り、県内の私立４年制大学を中心に高等看護学校をはじめとする専門学校などへの進学、公務員や民間企業への就職を目指しています。令和４年度から本格的に導入したオンライン学習ツールにより、家庭学習時間が充実し、基礎力から応用力までの幅広いニーズに対応できた結果、４年ぶりに国立大学（埼玉大学理学部）、２年ぶりに塩竈市役所への現役合格者が出るなど着実に進路実績をあげています。

　部活動は運動部・文化部ともに、２つのキャンパスにある恵まれた施設設備を活用し、生徒一人一人が文武両道の精神のもと、日々精進に努めています。令和４年度は、運動部ではヨット、陸上競技が全国大会、ボート、水泳が東北大会に出場し、文化部では音楽部が県高校バンド合戦新人大会でグランプリを受賞し、令和５年度全国高校総合文化祭への出場権を取り、またパソコン・ビジネス部は東北六県ワープロ競技大会に出場するなど多くの部が活躍しています。

　「志・伸・和・創」を校訓に、地域の皆様の御協力を得ながら塩竈市内唯一の高校として、生徒一人一人が自己実現を目指し、自ら意欲的に学ぶ態度を養うとともに、礼儀を重んじ自覚と誇りを持って自己を律する態度を身に付け、社会や地域の発展に貢献できる人材の育成に向けて特色ある学校づくりに取り組んでいます。令和３年度から始めた普通科２学年「総合的な探究の時間」を活用した「塩竈まちづくり活性化プロジェクト」は、塩竈市のまちづくりに参画し賑わいのあるまちづくりの一躍をになうことを目的に、塩竈地域の抱える課題を発見し「地域活性化プラン」として解決策を考える学習として定着しつつあります。

　令和４年度から始まった新学習指導要領の趣旨を踏まえ、これまで取り組んできた様々な活動の成果を活かしながら、本校のあるべき姿を確固たるものとすべく、これからも地域に愛される学校づくりに邁進してまいります。